「技術検討会~持続できる森づくりに向けて~」を開催しました。
先週の金曜日、馬路村魚梁瀬地区の山の現場において、「技術検討会」を開催しました。
技術検討会とは???
と多くの方が疑問に感じられるかと思いますが、
簡単に説明すると、間伐や木材生産のために必要な作業方法について検討する会です。
山によって条件の異なる現場作業ですので、卓上だけの検討では役に立ちません。
実際の現場を見て、その条件に適した作業方法を見極める必要があります。
さて、近年、山(森)に求められる役割は多様化しています。
「木材生産」の現場としてだけでなく、水や空気を作り生命を育む役割や、
土砂災害から人々の生活を守る役割等、たくさんの役割が求められています。
馬路村の森を形成する多くは、人工林の杉です。
戦後の全国的な一斉植林で植えられた杉が、現在の山々となっています。
これまでも述べてきたように、植林された苗木は自身のチカラだけでは森を形成することができません。
地球環境も変化し、シカ等の獣害も増えてきました。
上記にあるように、森のチカラを発揮する健全な森になるためには、「人」のチカラが欠かせません。
馬路村は、国有林が森林面積の75%を占め、国有林とともに馬路村が発展してきた歴史があります。
国有林の森林整備が成り立ってこその、持続できる森づくりがあると言っても過言ではありません。
そこで今回、エコアス馬路村では国有林の所有者である「安芸森林管理署」の協力を得て、
健全な森づくりのために必要な間伐方法や技術について、
実際の現場で検討し、意見交換を行う、「技術検討会」を開催しました。
作業員にとって、今回の「技術検討会」では、
日ごろの自分たちの作業方法や技術を見直す機会になりましたし、
馬路村森林組合や高知東部森林組合といった同種の作業員の方々とも、意見交換ができました。
残念な話ですが、林業の現場では毎年多くの命が失われています。
足場の悪い急傾斜地での作業や、チェーンソー作業による災害が後を絶ちません。
森づくりに必要な間伐や、木材搬出のための架線設備や集材技術も、安全な作業が成り立って始まります。
会社設立から15年、幸い、エコアス馬路村で死亡事故は発生していませんが、
一つ間違えば・・・といった事故が起きたこともあります。
近年の木材価格の下落は、山で作業する技術の価値を落としていると感じます。
「間伐材だから安い」は間違った考えです。と申し上げます。
お問い合わせでよくある話ですが、
「安い間伐材で作って単価を下げてもらえないだろうか・・・」
とても残念な話ですが、山で作業する技術の価値が、まだまだ伝えきれていないのだと感じます。
多くの生命を育み、人々の生活を守る森づくりのためには、山で働く作業員の技術が必要です。
その技術を活かし、守り、伝えていくことも、エコアス馬路村に課せられた使命です。
2015年
11月30日