馬路村(うまじむら)は、森林面積が村の96%を占める全国屈指の「森の村」です。
今では「柚子の村」として知られるようになりましたが、「銘木・魚梁瀬杉(ヤナセスギ)」に代表される良質な木材生産地として、古くから全国にその名を馳せていました。
馬路村の林業が全国に知られるようになったのは、太閤:豊臣秀吉の時代にさかのぼります。
豊臣秀吉が洛陽東山佛光寺に大仏殿を建てる際に、全国から集められた良質な木材の中から、当時の土佐藩主:長宗我部元親の献上した魚梁瀬杉が「第一の良材」として選ばれたことが文献に残っています。
その後、魚梁瀬杉の天然木が林立する馬路村一帯の山々が土佐藩の管理下に置かれ、明治以降も林野庁(営林署)直轄事業として国内屈指の木材生産量を誇り、山奥から伐り出された魚梁瀬杉が、川下の街まで開通した森林鉄道によって運ばれました。
馬路村には、「馬路営林署」「魚梁瀬営林署」が配置され、100年後の適正伐期を見据えた「育てながら伐る」の理念の基、循環できる森づくりにいち早く取り組んできました。
高度経済成長の後押しもあり、良質な木材であった魚梁瀬杉は高額で取り引きされ、生産地であった馬路村に大きな活気を与えてくれました。
時代は流れ、安価な輸入材の増加や、住宅事情の変化などによる木材価格の下落、後継者不足によって全国的に林業が衰退しています。
また、世界に目を向けると、違法伐採などによる環境破壊(地球温暖化)が深刻的な問題となっています。
木々は、大地にしっかりと根を張り、雨水を貯える自然のダムです。
そこから沁み出した一滴一滴が小さな流れとなり、谷へ集まり、奔流へと変わります。
森は、こうした水源涵養だけでなく、土砂災害から私たちの暮らしを守り、森や川に暮らす多くの生命を育みます。
植林された苗木が大地に根を張り、森の役割を果たすためには、長い年月と人による手入れが必要です。
そして、そこから生まれる間伐材も大切な資源の一つ。
決して無駄にせず、森の香りや木のあたたかみを生活の一部に取り入れる製品となることで木は生き続けます。
馬路村では「森の仕事まるごと販売計画」を策定し、「第三セクター・株式会社エコアス馬路村」を設立しました。
エコアス馬路村は、「明日はきっとエコロジー、いつか生態系循環の永遠の森につながるように」のポリシーの基、【森を育てる】【森を集める】【森を加工する】【森を販売する】【森に還元する】森の仕事に関するすべての仕事を一貫して行う「森の6次産業化」を通して、全国的に衰退する林業を元気したいと考えています。
植林された木々は、成長していく過程で二酸化炭素を吸収し酸素を作り出します。
適切な森林整備が行きわたることで木々の成長が促され、土砂災害を防ぎ、雨水を貯える自然のダムとして機能します。
そして、森林整備に欠かせない間伐で生まれる間伐材も大切な資源の一つ。
間伐材が山に放置されることなく、有効利用されることで間伐が促進され、元気な森づくりが進みます。
植林から森林整備、そして間伐材の有効利用と森への還元を一貫して実践する、それが「永遠の森づくり」です。
植林後放置され、手入れの行き届いていない山は、木々の育成不良によって土壌が露出し、土砂災害を招きます。
健全な森林を育てるためには、人のチカラが欠かせません。
馬路村の林業は、伐った分だけ必ず植える「育てながら伐る」という考えが原点です。
間伐の行き届いた山は、日差しが入り木々の光合成が活発になります。
木々の成長に伴い、二酸化炭素吸収の役割だけでなく、大地に根を張り巡らせることで、水を貯える自然のダムとして機能し始めます。
木材(木製品)魅力は、個々の木目や香りの違いだけでなく、過ごす時間と共に感じられるあたたかみと風合いの変化にあります。
その魅力を最大限に引き出すのは、木工所で働く熟練の加工職人たちです。
エコアス馬路村では、世界に通用するモダン製品「monacca-bag」や、お客様の生活を豊かにするライフスタイル雑貨を製造し、森から生まれる間伐材の新しい可能性が広がり、製品の普及によって、適切な森林整備が進んでいます。
エコアス馬路村でも、森林整備や木製品製造の過程で電気を使い、二酸化炭素を排出していますが、間伐材製品の売り上げの1%を千年の森基金に積み立て、森林保全・育成活動や啓発活動に積極的に参加することで、カーボンオフセットや次世代の森づくりに取り組んでいます。
森のまるごと販売計画の企画運営を行い、「森を販売する」「森への還元」を担当しています。馬路の森から生まれた木製品の販売に関わる展示会やイベントへの出展、オンラインショップの運営を行っています。
森のまるごと販売計画の「森を育てる」「森を集める」を担当しています。
森づくりの基礎となる【植林】【育林】に始まり、木材生産の「間伐」「集材」など、いわゆる森の仕事を担う作業チームです。
森のまるごと販売計画の「森を加工する」を担当しています。
伝統の技術と最新の機械設備を駆使し、間伐材製品からヤナセスギ製品まで、
生活の一部になる木製品を製造しています。
森の育成から加工・販売、間伐材の活用を行っております。
売り上げの1%を馬路村が設立した「千年の森基金」に積み立てており、森林育成や保全活動に貢献しております。
主に「目標12:つくる責任つかう責任」「目標13:気候変動に具体的な対策を」「目標15:陸の豊かさも守ろう」に取り組んでいます。
※SDGs(エスディージーズ)とは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称であり、国連サミットで加盟国193カ国が2016年から2030年の15年間に向けて達成するために掲げた17個の目標のことをいいます。