四国勝さんの曲げわっぱ作り
※文章は、土佐弁(一部馬路村独特の方言)を交えております。
優しく語りかけてくれる四国さんの表情を思い浮かべながら読んでみてください。
画像はクリックすると拡大します。
私は、馬路村で生まれ育ち、中学校を卒業して営林署(現在の森林管理署)に
勤め始めました。
本当は県外(都会)で働きたかったけんど、父親に反対されて、仕方なく
馬路村に残ったがです。
最初は、森林鉄道の修理工場で働き出して、18歳になって森林鉄道の制動夫に なりました。制動夫は、森林鉄道で運ぶ木材貨物車に乗って、ブレーキを調整 する仕事で、ヘルメットも被らずに木材の上を行ったり来たりしよったがです。
今の時代には考えられんばぁ危険な仕事やったねぇ。
※画像:木材の上に乗っているのが制動夫
馬路村から、船で木材を運ぶ港のある田野町まで1時間以上かけて通いよった。
本当は、地下足袋(スパイク足袋)を履いた方が木材の上で滑りにくいけんど、
田野町言うから「お街」じゃき、恰好つけたかって運動靴を履いて
仕事しよったがです(笑)
※画像:盛装した男性が見える。当時から「お街」は田舎の憧れであった。
当時、私たち森林鉄道作業員の月給は200円ぐらいで、
山で木を伐る人より安月給やった。
日本酒1合買うのは高いき、焼酎ばっかり呑みよった。
日本酒が買えるようになったがは出世してからやったねぇ(笑)
主に、森林鉄道に関わる仕事をしよったけんど、
ノコギリの目立ても
先輩から教えてもらって得意やった。
山で木を伐る後輩が「目立てしてほしい。」言うて、
ノコギリを持ってきよったき、ちょっとした自慢話やねぇ(笑)
今でもその技術があるき、道具を大事に長く使うことができています。
※画像:ノコギリの目立て中。
ノコギリの刃は、使うたびに消耗するため、定期的に目立てを行います。目立てとは、刃が均一になるように研磨する
こと言います。目立てのできていないノコギリで木を伐ると、伐り口(断面)が凸凹になり、木材の価値が下がってしまいます。
山で作業する者にとって、必ず身に付けなくてはならない技術です。
営林署を定年退職してからは、趣味の鮎釣りと、登山を楽しみながら、馬路の仲間内で木工クラブを作って、
椅子とか工芸品とか色んな物を作りよった。それから、馬路温泉の前を走る森林鉄道の運転手をしよります。
昔現役で運転しよった人も、歳を取ったり亡くなって少なくなったき、運転の仕方を若いメンバーに教えゆうところながです。
若いゆうても、60歳過ぎた者ばっかりじゃけんど(笑)
曲げわっぱつくりに初めて出会うたがは、昭和61年やったかなぁ、、、
青森県で美術を教えゆう加藤先生が馬路村に来ちょった時に、
木工クラブのメンバーで習うたがです。その先生に漆の塗り方も習うた
ねぇ。それをキッカケに趣味で曲げわっぱ作りを始めたがです。
曲げわっぱを作りだして、しばらくしてから馬路村観光協会が
「観光客に曲げわっぱ作りを教えちゃってくれんろうか?」
言うて声をかけてくれたがです。
それから、今の曲げわっぱ作り体験教室が始まったがです。
あっという間に忙しくなってねぇ(笑)
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